番組の制作意図

なぜ2009年のNHK大河ドラマに「天地人」が選ばれたのでしょうか。
番組制作サイド側の重要キーマンのお話からその意図をご説明していきます。

脚本家・小松江里子さん

戦国時代に生き抜いた直江兼続という一人の人間に興味を持った。
戦国時代では数々の武将達が「利」を持って、策略を重ね、
人を欺き、裏切り、のし上がっていこうとしていた時代です。
その時に、一人、愛をかかげ、戦国を生き抜いた武将が直江兼続。
今の時代にもっとも大事な優しさ・癒しの時代において、
直江兼続の掲げた愛の精神をきっかけに多くの方に共感を持ってもらいたいと思います。


原作著者 火坂 雅志さん

直江兼続の考え方・生き方は「弱きを助け、強きを挫く」で言い表すことができます。
つまり武士道精神そのものでした。
弱い立場の人には情けの心を持ち、
筋の通らないものたち、特に数々の武将達に対しては毅然と立ち向かった。
民や家臣に対する愛とは何なのかということを、正面から大まじめに考えた直江兼続を
この作品で知ってもらいたい。

このように、番組制作側では、
この時代において利益追求が全てにおいて正しいと認識してしまう風潮がありますが、
失われつつある「日本人の義と愛」を多くの方に知ってもらいたいために
この作品を大河ドラマに選んだのでしょう。